社会派スケボー映画『行き止まりの世界に生まれて』感想文
感傷的な社会派スケボー映画。とにかく問題だらけだけれども問題とちゃんと向き合えば解決できると信じるアメリカ的楽観主義に対して日本はどうだろうか、と、間接的に自分たちのことも考えさせられてしまう感じの映画でもあった。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
感傷的な社会派スケボー映画。とにかく問題だらけだけれども問題とちゃんと向き合えば解決できると信じるアメリカ的楽観主義に対して日本はどうだろうか、と、間接的に自分たちのことも考えさせられてしまう感じの映画でもあった。
こういう物語を気の利いた小品として演出するのも芝居の力で小品の枠を変形させてしまうのもあんまり観たことがないのでなんか地味にすごい映画だと思った。
数多ある『エイリアン2』エピゴーネンの中でも最高クラスの完成度と言ってもいいんじゃないかとすら思うが、個人的に楽しめたかというとそれは別。
人間の存在自体が放つ微妙に厭なところをポルトガルの陽光の下でほじくっていく仄かな悪趣味に気付けば、渋すぎ展開も俄然面白くなってくるが、その面白さに気付いた頃には映画もう終わってた。
いやもうビックリですよ。ガキ向け映画のはずなのにそこらの大人向け恋愛映画なんかより全然大人の恋愛をしていたし、恋愛の本質に迫ろうとしていたので。素晴らしい映画だと思います。
思えば平成純愛映画とは出会いの映画である以上に別れについての映画であったし、どのように幸福に別れるかを探す映画であった。見事な平成純愛映画のレクイエム。
おい、「えっ?」でつまらない世の中を乗り切ろうとしているお前ら!ええかげんにせえ!これからはダイアローグ中の「えっ?」は禁止!「はぁ?」だ!「はぁ?」で行け!
『ザ・ダーク』ネタをちょっとイイ話に転がす社会派映画なんかたぶんこの映画の他には現世に存在しないですしそもそも発想として出てこないですから、いろいろどうかと思うところもありましたがユニークで面白かったです。
なんだか教科書のような実録映画だったのでフランソワ・オゾンの映画なんかほとんど観ていない俺でもまさかオゾンの映画が教科書になる(なってない)日が来るなんてと思ったりするのだった。義務教育教材にするべき。
どうでもいいじゃないですかシモキタ演劇人の一人や二人どう生きようが、どう恋に失敗しようが成功しようが。そんなの好きにやりゃいいじゃんとしか思えないよ。