【ネッフリ】『彼女』感想文
観ている間はどうしようもなく陳腐なバカ映画だと思っていたが後から反芻しているうちにあえて世の中の陳腐さを照射した映画だったのではないかとか思えてきて急におもしろい映画になった。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
観ている間はどうしようもなく陳腐なバカ映画だと思っていたが後から反芻しているうちにあえて世の中の陳腐さを照射した映画だったのではないかとか思えてきて急におもしろい映画になった。
開拓のノスタルジーと夢の残骸を拾い集めて「近い将来からのたより」よろしく末端開拓民の痛みや衰退を詩的に表現した映画という感じかもしれない。
一発で人間どもをぶっ殺せる性能を持った巨大変異昆虫が跋扈する『ミスト』的終末世界で本当に怖いのは人間だね…的なことをやられても説得力がないしなんかムカついた。
深夜のダイナー、蛾の舞うトイレ、真冬の荒れ野で座り小便。どこが美しいんだという気もするが美しいんだよそれが。自由の美しさっつーものがそこにはあるんです。
今日もネットは誰が燃えたとか燃やしたとかで騒がしいが長い目で見たらどうせ大したことじゃないんだから、騒いでる人はまぁこういう映画でも観て落ち着いたらいーんじゃないでしょーか。
タイトルはガツーッ! と来ますが基本的にはユーモアを交えたのんびりムードの旅行映画。しかしその中にはオウム事件の割り切れなさと正面からぶつかっていく凄まじい精神の格闘があるのだ。
ディズニーの近視眼的銭ゲバ的業界エコシステム破壊的自己中心的テメェ興行をナメてんのかよ的経営判断により泥をかぶった『ラーヤと龍の王国』ではあったが内容的には安定のディズニー映画で普通に面白かった。
なんか説教臭くてあんま面白くなかった。またかぁみたいなリベラル映画人の反省映画。
こういうのを観ると50年以上前に『プレイタイム』を撮ったジャック・タチの天才っぷりガチすぎるだろって思うよな。別に『天国にちがいない』を貶す意味で言ってるんじゃなくて。
娯楽映画としての設計と作家の詩情が高度に融合した一人アニメ映画にして観るテレビゲーム。