そう来たかSF『囚われた国家』感想文
エイリアンと思わせて! 70年代サスペンス! そしてエイリアンの侵略と見せかけて! シュールな現代アメリカ批判! この意外性に乗れるか乗れないか。乗れたらかなり面白い映画だとおもいます。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
エイリアンと思わせて! 70年代サスペンス! そしてエイリアンの侵略と見せかけて! シュールな現代アメリカ批判! この意外性に乗れるか乗れないか。乗れたらかなり面白い映画だとおもいます。
『GONIN』とか、『ブレードランナー』とか、『ブレードランナー2049』とか、『狩人の夜』とか、あとまぁ『ターミネーター2』とか…を彷彿とさせる、このままじゃ終われねぇよ精神の名作群に連なる傑作、とまで言い切ってしまうと大げさに言い過ぎなような気もするのでとにかく面白い底辺コリアン・SFノワールなのでみんな観てくださいね、ぐらいに留めておく。
ちょうどいい。実にちょうどいい。こういうやつが観たいなぁ~っていう時の「こういう」にドンピシャで入ってくる映画だ。完璧に『セブン』のパチモノだがパチモノとして一級品と言っていいだろう。なんだか語義矛盾のようですが。
女性主人公の変形西部劇構造はコーエン兄弟の『トゥルー・グリット』、アボリジニの青年とのロードムービー的な側面は『WALKABOUT 美しき冒険旅行』、と言っている人がいてなるほどと思ったが、俺としてはそれに加えて「最初っから特別完全版の『地獄の黙示録』」と言いたい。
ダメな映画だなぁという感想とテレンス・マリック面目躍如という感想が同居するなかなか独特な映画体験だった。
目に光のない窪田正孝、こんなところにハマるとは思わなかったベッキーがハマり役、歌舞伎町をダッシュするブリーフ一丁マン、どこか気の抜けたシナリオが逆に味、後半の乱戦は少しだけ『殺し屋1』風味で、慎ましくもうつくしいラストは三池の歌舞伎町映画らしからぬハッピーエンド。良い映画だった。
『デスノート』的な書いたら現実になる本の話かと思っていたが怖いことを勝手に書いて勝手に現実にしてしまう本の話だった。怖さはマイルドですがよくできてます。
岩手テレビ開局ウン十周年記念作品だそうですがこんな作家性の強い文芸映画が記念になると考えたのだとしたら岩手テレビは映画のことなんかなにもわかっていないか逆にめちゃくちゃ芸術に理解のある人々の集まりなんだろう。良い作品をありがとう岩手テレビ。
観ながら前読んだ自己啓発本を思い出したりしたのでもうダメ。そっちの方に思考が行くって身体じゃないくて頭で観てるってことですから。こういう映画を頭で観たら楽しめないよ。
タイトルからして最高である。『マザーレス・ブルックリン』ときましたよ。こう、なんとなく反対側ロサンゼルスと対になるような! 陽光降り注ぐ開放的なロスに対して薄暗くて孤独なブルックリンですよ! これはもう中二中二と人々から後ろ指を指されてもマイ邦題『ブルックリンは母はねぇ』に決定じゃないですか!