あなたの人生の映画『ザ・ルーム』感想文
泣いたよ。上映中何回も泣いた。泣き笑いだけれども既にぐしょぐしょの手で拭うその涙はあたたかかった。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
泣いたよ。上映中何回も泣いた。泣き笑いだけれども既にぐしょぐしょの手で拭うその涙はあたたかかった。
目に光のない窪田正孝、こんなところにハマるとは思わなかったベッキーがハマり役、歌舞伎町をダッシュするブリーフ一丁マン、どこか気の抜けたシナリオが逆に味、後半の乱戦は少しだけ『殺し屋1』風味で、慎ましくもうつくしいラストは三池の歌舞伎町映画らしからぬハッピーエンド。良い映画だった。
ブルース、ゴスペル、ショットガン、湿地帯、盲目の黒人牧師、はみ出し者二人のロードムービー。超アメリカ。超アメリカン・ニューシネマ。
障害者が主人公だからと過度に障害を前に出す必要もないと思うが、俺はね、障害者も健常者も変わらないよ! っていう強さ志向の「やさしさ」が、どうしても無神経で、個を押しつぶすものに見えて受け付けなかったんだよ。
演出とか脚本は平凡でもその平凡さがかえってよかったとも思った。ことさらに奇をてらわない方が刺さる題材ってあるじゃないですか。これそういうタイプの映画。アンソニー・ウォンは名演。
島根の刑務所にカメラが入った…と聞けば中島貞夫×松方弘樹の『暴動島根刑務所』が否応なしにも頭に浮かんでしまうわけですが全然そんなんじゃなかったです。メンタルヘルス系の人間再生ドキュメントでした。
ライブビューイング感がすごかったので観客参加型上映とかやってほしいな、こういうの。みんなで猫の仮装して。あとCG化け猫はオマケです。
良い映画だった。フィルマークスとかだとたぶん平均2.5点ぐらいの映画だと思いますが俺マークスでは80点満点中の110点フレッシュです。トマトも混じっているな。どうせトマトメーターも腐ってるだろう。
衝撃。まさかこんな邦題の映画で主人公の先天性無痛無汗症設定が武器にならないとは…。アクション映画である以上に変種の難病映画にして映画賛歌。予想していたタイプの面白さとはだいぶ違ったが面白かったです。
あまりに分かりやすく悲惨なのでリアリズムの映画なのに寓話性すら漂ってしまう現代版『怒りの葡萄』みたいなやつ。