映画感想『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』
やわらかい絵にうっとり系のアートアニメと思いきやそんな甘えは許さないハードボイルドなフェミニズム映画。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
やわらかい絵にうっとり系のアートアニメと思いきやそんな甘えは許さないハードボイルドなフェミニズム映画。
全部イイ。もう一度言いますが全部イイ。興奮のあまりネタバレが暴発。
過酷な環境下でのサバイバルで本領を発揮するジョシュ・ハートネットの熱演ならぬ冷演がすごい実録映画。
映画史的なとか映画技法的な評価尺度で見たらどうか知りませんが個人的な映画体験としては『ミツバチのささやき』の横に並んだのでやばかった。
酷い系フレンチ・スプラッター『屋敷女』の英語リメイクということでいやそれは無理だろと思ったらやっぱ無理だったが違い方向への翻案が見事でおもしろかった。
保守的な地方学園映画の中でも特に保守色が強いが思想的なものはまったく感じられない無思慮が逆におそろしいばかりのつらい系シネマ。
超予想外におもしろかったですよ。だって絶対おもしろいわけないって思うじゃんこんなタイトル。でもフレンチ・スプラッター業界に新星あらわる的なナイスなやつでした。
『ルーム』のアナザーサイドみたいな映画ですがあっちとはまた別種の嫌な汗かきまくり。キュートな装いで近づいて刺してくるタイプ。
寂しいんだよ!俺は寂しいんだよ!俺の夜はひとりぼっちなんだよ!…と言っているかどうかは知らないが、そんな是枝裕和の叫びが聞こえてくるかのような孤独巨編。
こころの壊れたホアキン・フェニックスが光を求めてさまよう。感想もさまよう。