隣の難民映画『東京クルド』感想文
自分の見知った世界と地続きでこういう世界もあるということを知るのはストレス過多の現代では逆説的な解毒にもなろうから、何かのためにとか誰かのためにとかではなくてなんとなくの興味本位とかで見て欲しい映画。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
自分の見知った世界と地続きでこういう世界もあるということを知るのはストレス過多の現代では逆説的な解毒にもなろうから、何かのためにとか誰かのためにとかではなくてなんとなくの興味本位とかで見て欲しい映画。
とくに関連性とかはないが少し前に観て感想書いてなかったドキュメンタリー映画が二本あったので一つにまとめて感想文。
まじめに不真面目することさえできない無能詩人のかなしい映画だと思うのだが、世の中的にはあまりそうは受け取られていないらしく、そこがまたかなしい。
なんか最近の映画は男の方が暴力を使いこなせてないよなぁ…などと考えていたら思考バブルが爆発したのでメモ的に映画の中の暴力を大☆妄☆想。とくに論としては出来ていないのであくまで飲み屋のヨタ話として暇な人だけお付き合いください。
これは素晴らしい。ダルデンヌ兄弟風のサスペンスが実に効いていてどうなるかどうなるかで最後まで目が離せない。失踪技能実習生が題材と聞けば身構える人もいると思うんですがそういう映画ですけどそういう映画じゃないので日本在住者全員必見。
世の中を良い方向に変えるための理想や期待がかえって世の中を硬直させ人々の関係を悪化させがちな昨今であるし、この映画自体はそこまで話を広げないミニマムで私的な内容ではあるが、そこに込められたメッセージの射程は存外広かったように思う。
タイトルはガツーッ! と来ますが基本的にはユーモアを交えたのんびりムードの旅行映画。しかしその中にはオウム事件の割り切れなさと正面からぶつかっていく凄まじい精神の格闘があるのだ。
これが美談化大国アメリカの放つ本気の「美談」だ!美談好きのくせに美談化スキルがゼロの日本人は全員見ろ!見て敬礼!
この監督はインタビューとかではすごい社会派っぽいことを言っているが本質的には初期トリアーとかギャスパー・ノエみたいに観客にショックを与えるための見世物性を映画作りの核にしてる人なんじゃないだろうか。
なんか根本敬の世界と隣接してた。俺が思ってた映画と全然違う…!