呑んだら死ぬ映画『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』感想文

ホンカの家とか地獄底辺酒場のすばらしい汚美術、そこに集う面々の最高にきたならしいご尊顔、あまりにも欲望が直球かつチープなバカ妄想場面、酒飲みを狂気へ誘う酒瓶の音色。すべてがどうしようもなくて最高だった。

感動した人は読むなよ感想『37セカンズ』(悪口注意)

障害者が主人公だからと過度に障害を前に出す必要もないと思うが、俺はね、障害者も健常者も変わらないよ! っていう強さ志向の「やさしさ」が、どうしても無神経で、個を押しつぶすものに見えて受け付けなかったんだよ。

社会復帰促進映画『プリズン・サークル』感想文

島根の刑務所にカメラが入った…と聞けば中島貞夫×松方弘樹の『暴動島根刑務所』が否応なしにも頭に浮かんでしまうわけですが全然そんなんじゃなかったです。メンタルヘルス系の人間再生ドキュメントでした。

英国怪猫奇譚映画『キャッツ』感想文

ライブビューイング感がすごかったので観客参加型上映とかやってほしいな、こういうの。みんなで猫の仮装して。あとCG化け猫はオマケです。

こんにちは視聴者映画『さよならテレビ』感想文(途中からわりとネタバレあり)

ふ~、観たい。この映画を観た後は『フォードVSフェラーリ』を観たい。あれだってストレートなハッピーエンドでは決してないけれど、この、この、この溜まりに溜まった溜飲を下げるには格好のお仕事映画だろう。超面白いが消化に悪い身につまされ系お仕事ドキュメンタリー。

肌に合わない映画ってあるんだよ感想『フォードVSフェラーリ』

観ながら前読んだ自己啓発本を思い出したりしたのでもうダメ。そっちの方に思考が行くって身体じゃないくて頭で観てるってことですから。こういう映画を頭で観たら楽しめないよ。

ローリング家庭崩壊映画『家族を想うとき』感想文

あまりに分かりやすく悲惨なのでリアリズムの映画なのに寓話性すら漂ってしまう現代版『怒りの葡萄』みたいなやつ。

実家面倒臭い映画『読まれなかった小説』感想文

役に立たない物を巡る役に立たない者の極小規模な大冒険。そこに仕込み刀のようなエルドアン体制批判があり、地元の慣習への疑義があり、惰性の人生への否があり、役に立たないから見えてくる風景と詩があったりする。よい映画ですね。よいダメ人間ポエム。