メロクロ映画『弥生、三月 -君を愛した30年-』感想文

そこだけ切り取ればなんでもない小さな行動や仕草や風景のひとつひとつも長い人生の積み重ねの上に置かれると独特の意味や情緒を帯びてくる。そのかけがえのなさを大切にする滋味深い映画だと思った。イイ映画。

CGわんちゃん大冒険映画『野性の呼び声』感想文

CGワンちゃんのバーナードくん、中に人間が入っているようかのように動くのでハリソン・フォードの出演を念頭に置いて観るとハン・ソロとチューバッカの出会いをチューバッカ目線から描いたスターウォーズの外伝に思えてしまう。

歌舞伎町ヤクザなんかつまらない映画『初恋』感想文

目に光のない窪田正孝、こんなところにハマるとは思わなかったベッキーがハマり役、歌舞伎町をダッシュするブリーフ一丁マン、どこか気の抜けたシナリオが逆に味、後半の乱戦は少しだけ『殺し屋1』風味で、慎ましくもうつくしいラストは三池の歌舞伎町映画らしからぬハッピーエンド。良い映画だった。

TPS的戦争映画『1917 命をかけた伝令』感想文

走ることはあらゆるアクションの基礎であるとか言ったり言わなかったりするが、人が走るだけでこんなに胸が躍ったのは久しぶりだし、カメラが切り取る世界をただ眺めているだけで感情が持って行かれてしまう戦争映画というのも久しぶり。傑作だと思うなこれは。

俺も崩壊映画『AI崩壊』感想文(ネタバレないけど悪口あり)

もうちょっと整理してほしかった。2030年の近未来日本を舞台にしたAIサスペンス巨編、無理でしょハリウッドじゃないんだし。でもそれだったら撮れないところはすっぱり諦めて撮れるところだけSFビジュアルとかSF設定をちゃんと作り込んだら良かったんじゃないですかね。そうしてたら多少は見れたと思う。

肌に合わない映画ってあるんだよ感想『フォードVSフェラーリ』

観ながら前読んだ自己啓発本を思い出したりしたのでもうダメ。そっちの方に思考が行くって身体じゃないくて頭で観てるってことですから。こういう映画を頭で観たら楽しめないよ。

ローリング家庭崩壊映画『家族を想うとき』感想文

あまりに分かりやすく悲惨なのでリアリズムの映画なのに寓話性すら漂ってしまう現代版『怒りの葡萄』みたいなやつ。

快作B級ノワール『アクセレーション』感想文

裏社会のお仕事を終えたナタリー・バーンが貧乏ダイナーに入ってステンレスのナプキン入れを鏡代わりに額の血を拭う等々、金はないがノワールなディティールに抜かりのないB級ノワール・アクションの快作。

絶体絶命無職映画『EXIT』感想文

負け犬未満、勝ち組落第、とりたててやりたいこともないがかといってダメ人間に堕ちきれるわけでもない何にもなれない『N.O.』を地で行く無職男が、殺人毒ガスに立ち向かう! 激燃えパニックアクションコメディでした。

USAをぶっ壊す映画『エンド・オブ・ステイツ』感想文

マイク・バニングの赴くところ、戦闘員と非戦闘員を問わず死体の山が築かれる。コナンくんのような金田一少年のようなお前が一番危ないやんけ系の死神シークレットサービスの存在価値とは。むしろ逆にバニングが投獄されていた方が合衆国は平和だったのではないかと思わずにはいられない。おもしろかったです。