普通に生きたい普通の映画『怪物の木こり』感想文
三池崇史のメジャー向け職人仕事ってことで、べた褒めする気にもなれないが、といって悪い映画でもないという映画であった。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
三池崇史のメジャー向け職人仕事ってことで、べた褒めする気にもなれないが、といって悪い映画でもないという映画であった。
あれなんだかこれは前にも観たことがあるような気がするぞなんだっけほらイメフォーでやってたブラジルのアートアニメのあぁそうだあれあれ『父を探して』、あの映画にセンスが似ているなと思ったら他でもないその監督アレ・アブレウの新作がこの『ペルリンプスと秘密の森』なのであった。これまたすばらしい作品。
迫力はあっても緊張感がない映画。ヒロイックな反逆者以外の人間なんぞ死のうが生きようがどうでもいいわという独善とニヒリズムから生じるその空虚さは、とはいえそれはそれで奇妙な魅力を放ってもいるのだが。
売れてる役者も派手なバトルもファンアート要素とかもないのでぶっちゃけヒットしないでしょうが、俺はこの映画、近年の悪魔憑き映画としては世界的にもかなりベスト寄りの一本だと思います!
色々趣向は凝らしてあるがそのゴテゴテした装飾を取り除けばやってることは恐ろしげなワルモノを正義のヒーローが倒して万々歳とこういう単純な勧善懲悪なので、老若男女みんながたのしめるアニメ映画と思います。
万人に勧められるものではないが、この貧乏感にグッとくる人でかつ基本的に部屋の中でダラダラとおっさん二人が話しているだけの作劇に抵抗がなくシュールコントが好きで陰謀論とかムー系のネタにわくわくするという人ならば楽しめる映画ではないかと思う。
映画にわかが日頃からお世話になっている映画WEB ZINEのMOVIE TOYBOXさんにまたまた寄稿させていただきました! 今回は北野映画特集です!!
こわれた人々のうつろな芝居、低予算を逆手に取った作劇、美術も照明もすばらしい。なにより、戦争が終わった後の未だ闇の中にある時間に焦点を当てる生真面目さというかウソのなさにグッとくる。イイ映画だと思います。
サバイバル映画っていうよりもお仕事映画。陽の当たらない現場労働者が自分の仕事をきっちりこなす映画というのは個人的にはとてもこうなんというかグッとくる。
この徹底的な暴力の虚しさを現在の戦乱の世においてスクリーンで観るというのは、たぶんとても有意義な体験になるのではないかと思う。